こんにちは、管理人です。株式アナリストとして早くから今回の円安について書いてきましたが、日本で暮らし、日本で消費するだけの日本人であるならば、円の価値は同じです。しかしね、自国通貨が売られる、つまり価値が下がるというのは実に大きな事なのです。おそらくは米国の手先の政府と日銀はここに来ても、金融緩和を維持し、円安容認の姿勢を維持しています。さすがに、黒田日銀総裁の値上げを国民は許容している。発言には反発を受けて陳謝しましたが、この国はいったいどうなっているのだろう?と思わざるをえませんね。
では誰がこの円安で得をしているのでしょう?輸出の大きい企業。例えばトヨタなどは1円の円安で400億円利益が増えますし、自動車、電機、機械などのメーカーは得をします。また以前からグラフで提示している通り円を大量に売っている米国ヘッジファンドは笑いが止まりません。私が以前から指摘しております通り、日本の政府は、米国と大企業のために政治を行っています。
政府はコロナウイルスの弱毒化根拠に、外国人観光客の受け入れを開始します。おそらくコロナ前のインバウンド以上に世界中から観光客が押し寄せることになるでしょう。何故か?日本人が誠実で親切でマナーが良く、町がきれいで食べ物がおいしく、素晴らしい観光資源が多いからではありません。外人が日本に来る一番の理由は・・・・・★日本が安い国だからです!もともと実質賃金が下がり続ける世界で唯一の国ですから、他国から比べると物価は非常に安く、それに輪をかけて外人が大喜びする言うように全ての通貨に対して円安。なのですから外人が殺到します。
私の経験をお話しします。私が香港に移住したのは2004年でしたが、だいたい1香港ドルが14-5円で推移していたものが円高になり、2011年には1香港ドルが10円を割る時がありました。記憶は定かではありませんが、数年間は円高が続いたような記憶があります。現地の物の価格は変わりませんから、例えば20000ドルのヴィトンのバッグは20000ドルですし、7000ドルのiPhoneも7000ドルのままですが、国際的なブランド品やiPhoneを日本から香港へ旅行に行って買うとします。すると円高のおかげですごく安く買えるのです。
当時の為替レートですと、20000ドルのヴィトンのバックが20万円以下、新品のiPhoneが7万円以下で買えたのです。私の日本から来ている社員も、家族や友人に頼まれて帰国の際に買っていきましたし、転売のために買う人も多かったのです。しかし今回の円安で、今私が香港に戻っても20000ドルのバッグを買うために必要な日本円は34万円以上、iPhoneも12万円以上になり、とても手が出せません。
ですから日本政府が外国人観光客を受け入れれば、外国人が殺到するのは当然です。米国人が日本に来ました。1ドルが100円の時代ならば、2万ドルを両替すれば手元に20万円の日本円を受け取ります。しかし、今の円安では彼らは27万円を受け取り、物価の安い日本で好き勝手に買い物をして、食べて帰るのです。中国人に至っては、2012年に日本に来ていれば1万元を日本円に両替しても12万円しか受け取れなかったのが、今や20万円も受け取れるのです。最近、ロンドン駐在員の書いたニュースがありましたが、ロンドンでは回る寿司の一番安い皿でも400円するそうです。今や米国人の半分の収入しかなく、韓国人にも抜かれ、様々な税金と年金、保険料に苦しむ日本人が”なんて安い国なんだ~”と金を使う外人に群がる、その姿は実に情けなく恥ずかしいと私は思っています。
岸田さんの言っている国民所得倍増計画には疑問ばかりです。アベノミクスで新しい円を作り出し、国債と株を買って大企業と米国に利益を与えましたが、国民の実質賃金を下げ、消費税を増税し、法人税を下げました。結果、企業の内部留保は330兆円から466兆円に増加しています。この利益は正規雇用を減らして人件費を抑えた事。法人減税での利益。です。
つまり岸田さんが言うように企業は利益を上げても、決して賃金を上げないのです。
ただ物の価格が上がること自体は決して悪い事ではありません。インフレにならないと個人は金を物に換えませんからね。問題なのは、国民の収入を上げないままにインフレを起こす事なのです。私自身はもうこの国に対して期待はしていませんが、来るべき時が来れば、ここのお仲間の皆さんが困らない程度に少しずつ出来る投資はお教えしていこうと考えています。来週あたりから売り切れ商品の販売再開となりそうですが、1元20円はあまりにもきついです。