昨日、久しぶりに外資系証券のデリバティブ専門の上級役員と話しました。彼はとても優秀で各種金融商品の仕組みを考えて、会社に大儲けさせてきた悪人なのです。もちろん損をするのは日本人です。以前ちょっと聞いた時に年収はボーナスを入れて2億ほどと聞いたことがあります。彼曰く、日本人から金を巻き上げるのはこれからが本番だとうそぶいておりましたので、皆様がひどい目に合わないように金融に関わるものとして注意を喚起しておきますね。
私のホームページを見てくださっている皆さんは、おそらくは50歳以上の方が大多数を占めると思います。そして健康に気を遣う意識の高い人。私は情報の発信者であり、見えない相手に向かって文章を書いていますが、料理教室などでお会いする方はほぼイメージ通りです。もっとも私はイメージとかけ離れた不良に見えるでしょうけどね。笑
さて本日の表題に書きました【悪魔からの電話にご注意】の悪魔とは何をさすのでしょうか?それは銀行からの電話です。皆さんのご主人が長く勤めあげて来た仕事を終え、退職金を頂きますね。そのお金は当然銀行に入金されるわけですよ。するとある日突然銀行から電話が来ます。私は〇〇銀行の誰々です。今度支店長を伴ってご挨拶したいとか、場合によっては先に高利回りの短期定期預金の案内が送られてくるかもしれません。
銀行に行ってみると立派な応接室に通され、支店長とやらが満面の笑顔で挨拶をし、ご主人の現役時代の苦労話などを聞いてくれるのです。そして振り込まれた退職金の事についての話が始まります。いろんなパターンがありますが投資信託、高利回りの定期預金、そして終身移行型変額保険などを進められるわけです。場合によっては2%近い高金利を出してくる場合もあるのですが、決まって2年までの短期の退職者専用定期預金になっています。つまり満期を迎えれば2回目は預金できないのですね。
ここからが本番です。怖いのは【仕組み債】を勧められることなのです。最近のニュースでも千葉銀行とちばぎん証券が十分な説明の無いままに70歳代の男性が【仕組み債】を買わされ、2000万円の投資が700万円もの損失を出して金融庁から業務改善命令を出されています。仕組み債とは債権とデリバティブ(金融派生商品)を組み合わせたもので、非常に複雑な仕組みになっています。
もっとも有名なのは悪名髙き日経平均リンク債なので簡単に仕組みを説明しますと、例えば今、日経平均と言う225社の日本企業の株価指数が2万円だと仮定しましょう。もしこの先2年以内に12000円まで下がらなければ、年利8%の高金利を受け取れますが、一度でも12000円を割れば元本は大きく目減りしてしまう仕組みになっています。12000円を割る事をノックインと言い、以前はノックインさせるために外資系証券が強烈な売りを出していたものです。当初は外資系証券が組成して、日本の証券会社が販売していたのですが、その後日経平均リンク型ファンドと名前を変えて銀行の窓口でも売られるようになり、たくさんの被害者を出しました。
最近ではEB債と言う他社転換可能債や、新興国の為替の高金利商品などがあります。私の友人はありとあらゆる仕組みを考えて、銀行に販売を委託し、銀行はとても大きな手数料を手に入れます。投資の世界は奥が深く、本当に賢い人しか生き残れません。そんな彼らが作った仕組みを投資経験の薄い日本人が買わされて儲かるはずなどないのです。普通の投資信託でも、銀行は販売手数料のほか、毎年口座管理料を取りますからとっても美味しいのです。
くれぐれも口座に退職金が入って、有頂天になって馬鹿な投資をしないようにしてください。もちろんインフレの今、投資は必要ですが成績の良いグルーバルなEТFをご自分で買い、それも一度に買わずに資金を小分けし、株価が下がった時にも追加して買うようにすれば良いのです。間違いなくあなた達の退職金は狙われているのですからね。