巴馬村の火油と、ご報告

こんにちは、管理人です。今日は神戸は冷たい雨が降って寒いですね。なんせ15年間も暖かい香港で住んでおりましたから、とても寒く感じます。さて、前号で書きました世界一100歳以上の老人が多く、元気に働いている中国広西省の巴馬(バーマ)村。私はこの村には行ったことがありません。ただ経営しておりました中国深センの日本料理店の従業員が江西省出身で私にその村の事を教えてくれたのです。当時はまさか自分が薬膳の販売をするなんて、爪の先も思ってはいませんでしたが、不老不死とか、仙人伝説とか、引退した後には小説を書くつもりでしたから興味があり、香港を拠点に台湾や中国、タイに出かける度に長寿、薬草なんてものには非常に興味がありました。

香港におりますと、中国国内からネットで物を買うのはすごく簡単で、日本で言う楽天市場のようなところへ注文すると自宅まで送られてきます。そこで香港から巴馬村の火麻を取り寄せ、朝のサラダから昼のラーメン、夜の食事に至るまでその油を振りかけて、自分ではご満悦していたのです。しかしある時、友人の中医である王先生がいらして、一緒に食事をしている時に、”残念だけれど、これは偽物です。既に巴馬の存在は中国全土に知れ渡っていますし、日本を始め各国から調査団、テレビ局も来ており、本物の火麻は私でも買う事は困難です。いくらで買いましたか?と尋ねられたので日本円で1200円ぐらいだと答えますと失笑され、もし巴馬の火油が入っていても、ほんの一部で大半は他の産地の油でしょうね。と言われてしまいました。ただ火油自体は体で作れない成分をたくさん含んでおり、良いものだからお使いなさい。ともアドバイスを頂きましたが、私はどうしても本物が欲しく、いつか中国の仲間と現地に行ってみようと思っています。

この火油の事を調べていて、販売を開始している台湾のレッドキヌアと共通する部分が多いことに気が付きました。それは決して肥沃な畑で栽培されているのではなく、巴馬の火油が山の斜面などで栽培されており、台湾原住民のレッドキヌアも畑ではなく、家の近くの山道などで栽培されています。またほかの地域の火油と比較すると巴馬の火油はとても小さいそうですが、台湾のレッドキヌアも南米産の半分の大きさしかありません。この共通点については今後も研究を続けたいと思っておりますし、もし私が本物の世界一の長寿村の火油を手に入れたら、みなさんにご紹介したいと思います。

さて、この三日間ほど私は大切な交渉に臨んでおりました。今、私が日本で薬膳を広げていくための中核食材である大なつめは産地のウイグルで収穫が始まりました。昨年はこの時期にウイグルに飛び、香港の大手と商社と共に価格交渉に臨んだのです。年間の購入数量と価格がその時に決まってしまうのです。もちろん一般の日本人が本当の大なつめを買う事は困難ですから、香港の最大手(上場企業です)の社長からのお口添えで、思い起こせば本当に安い価格で買う事が出来ました。しかしコロナ渦の現在、今年は現地に行くことがかなわないまま、収穫、価格交渉が始まっしまいました。私が希望したのは、昨年と同じ品質の大なつめを買いたい。できれば同じ木から取れたものを買いたい。なつめと言うのは野菜ではありません。木です。それも樹齢が60年、70年の大木もあり、鳥からなつめを守る程度で農薬は使っていません。それでも一応残留農薬検査はしてもらっていますが。

それをオーガニックと銘打って、私のなつめより明らかに品質の落ちるなつめが日本ではすごい価格で売られています。私が買っている一つ下のランクのなつめが日本に入っているそうですが、500g2900円ぐらいで販売しているそうですね。結論から申します。三日間、電話やメールで仲介役の香港社長、中国に強い商社の協力も得て交渉いたしましたが、昨年の価格では買えませんでした。ここ一年で日本でのなつめ販売は大きく伸びているようで、日本からの注文もあるようです。もちろん中国人が買って、日本に送っています。まぁ香港の社長がおっしゃるには、日本で薬膳を広げたいという情熱に押されて、みんな協力してくれた価格が昨年の価格で、私も一切の手数料は取っていない。しかし長く続けるのならば、いつまでも甘えていてはいけない。確かにその通りだと私も思いましたが、本日の昼まで交渉を続けていました。後は運賃や国内倉庫を交渉して、大きな値上げにならないようにしたいと思います。

まだ在庫が少しありますから、今月末までは現在の特別価格を維持したいと思います。せめてね私が現地に行きさえできれば、口八丁手八丁で価格交渉してくるのですが、、、、でも今年と同じ場所の大なつめを押さえることは出来ました。以上ご報告させていただきます。