穏やかな元旦の朝です。この年末、私はたぶん10年ぶりにたちの悪い風邪を引いてしまい、最初は偏頭痛、その後しつこい咳が続いています。もちろん医者には行きました。以前にも書いたと思いますが、健康で安心な暮らしのためには気心の知れた医者が必要です。そうですね、今この歳になって人生に必要なものを三つ上げろ!と言われたらその中の一つには気心の知れた医者の存在を挙げると思います。私が最も信頼をしている医者は出世なさいましたが、いつも直接携帯電話で連絡を取って、必要な検査をしてくれます。この医者の所には私の30年前からのCТ、МRIのデータが全て残っており、新しい画像との変化がすぐにわかるのです。
偏頭痛に関しても医者に連絡するとすぐに脳のМRI検査をしてくれましたが、脳の萎縮も全く見られず、細かな血管の先まで綺麗に映っており、全く問題なし!との事でしたが、何十年ぶりかの偏頭痛の原因は、おそらくは気温と湿度の急激な変化だという事でした。秋から年末までに暑いタイに二回、台湾に一回行きましたからね。暑い国と寒い国を頻繁に行き来すると体には良くなさそうですね。勉強になりました。
後、人生で必要な物と言えばなんでしょうね?ずっと変わらない、安定した関係の人でしょうか?93になっても私をいつも心配してくれる母、13歳から50年以上も変わらぬ親友、30年も前に経営していた会社の元社員たちも、元旦の深夜、0時になると次々に新年のあいさつをしてくれます。ずっと変わらぬ私の元旦の儀式のようなものですね。この歳になるまで、たくさんの人と出会い、別れを繰り返してきましたが、大きなビジネスに集まってくる人は金目当ての烏合の衆も多く、今になって、昔からの変わらぬ人たちの存在が私の精神を守ってくれているような気がします。
とここまで年始に書いていたのですが、長く売り切れが続いていた長寿薬膳堂の看板商品の一つである特大なつめが、年末に入荷し販売再開に向けて大忙しとなり、新年のご挨拶の続きを書くのが本日になってしまいました、申し訳ありません。
私は普段、ゆっくり本を読む事は今はなかなか出来ないのですが、本来は極めて読書が大好きなのです。皆様からよくあなたは文章力がある。とお褒めいただくのですが、それは子供の頃から本好きで、すごくたくさんの本を読んだ事が影響しているのだと思います。投資の勉強をしている頃も、本代で給料を全部使ってしまうような、そんな勢いで読み漁りました。で、少し自分の時間が取れる年末年始には、何冊かをじっくり選んで読むことにしています。
今年選んだのは、江戸時代のベストセラーである【養生訓】です。著者の貝原益軒は、漢方に通じた医者であり、本草学(現在の薬学)の学者でもありましたが、自分も養生を実践し、平均寿命が4-50年の江戸時代中期に、なんと83歳で大往生した実践家でもあります。私の祖父は93で亡くなるまで元気でしたが、やはり自分で高麗人参などをすり潰して調合し、飲んでいたそうです。
この本を要約すれば、腹八分目にとどめ、良い睡眠を長くなく、短くなく取り、楽しみを見つけて心穏やかに健康で過ごせと書いてありますが、これは!と思ったところは繰り返し読んで記憶にとどめました。少し紹介します。
★忙しくて養生できない。 日々仕事が忙しくて時間がなく養生できないという人がいるが、それは間違いである。養生とは体を甘やかす事ではなく、心を静め、体を動かす事こそが養生である。
★中高年のための色事の心得。 中高年でまだ色欲があるなら楽しんでも構わないが、射精はしないほうが良い。そうすれば生命力を減らすことなく色欲を満足させることが出来る。
うーーーむ、接して漏らさず・・・・・達人の域ですがね! 今年も大きな病気にならないようお互いしっかり養生しましょうね。今年もよろしく。